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奥深 OKUJIN

OKUJIN

まちのお店

「美味しい」のその先へ。
ご縁と夢を広げるレストラン

体に優しい料理を提供するレストラン「GRILL POT HOUSE」。地域コミュニティの発信拠点を目指す「ブランチ調布」同様、地域住民や生産者さんのご縁、“人とつながり”を大切にしているお店です。そんな「GRILL POT HOUSE」のスタッフさんの想いに迫り、美味しさだけではない魅力を紐解いてみました。

飲食店が私のステージ

橋本さん: 元々は保育士さんを目指していました。

「GRILL POT HOUSE」店長・橋本さん

橋本さん: 昔から子どもが大好きで、ずっと保育士さんになるのが夢だったんです。だから高校、大学も幼児教育が学べる学校に通っていました。

――なぜ飲食の道へ?

橋本さん: 大学時代に勤めていた、アルバイト先のレストランがきっかけになります。当時はフレンチもイタリアンもよくわからなかった私ですが「レストランは料理する側だけでなく、サービスする側も人を楽しませることはできる」ということを学ばせてもらったんです。

――そこから飲食業に興味を持ったと?

橋本さん: はい。同時期に弊社代表の井上とも知り合いまして。サービスマンはお客様、生産者さん、さらには身近なスタッフさえも喜ばすことができる職業だと教わりました。そのときに素敵な職業だなと思ったんです。

――その後、大学を中退されたそうですが?

橋本さん: そうですね。当然、親からは反対されましたが、私としては学費も時間も無駄にしたくなかった。「資格」や「大卒」よりも早く飲食業でキャリアを積みたかったんですよね。

――その決断をできる人はなかなかいないと思いますよ。

橋本さん: 自分へのけじめです。とはいえ、当時はまだまだ無知で未熟者。でも、井上からは「レストランを自分の演じるステージだと思って、自分を見せるサービスをしなさい」と。その考え方が好きで、この会社を選びました。

――「GRILL POT HOUSE」はどういったお店でしょうか?

橋本さん: 現在は焼肉、薬膳鍋にくわえて鉄板洋食をテーマにしたレストランとして、お客様にお楽しみいただいています。オープン当初から体に優しい食材、調味料を使っており、なかでもお肉は宮城県関村牧場直送の「漢方和牛」を使用。14種類の漢方をブレンドしたオリジナルの飼料を食べているため、一般的な黒毛牛肉に比べ、アミノ酸やグルタミン酸などの旨味成分が豊富に含まれています。

また「GRILL POT HOUSE」は一般的なレストランと違い、「クロスラボ(※)」と「ヘルシーマルシェ(※)」を併設しているのも大きな特長です。ラボでは、自社製品の製造はもちろん、食材を余さず活用した商品の開発や、最新の急速冷凍機導入によるフードロス削減などの努力も行っています。

(※)クロスラボ…店内に併設された製造工場。人気の薬膳ブイヨンや⾃家製ジェラート、秘伝のグリルたれのほか、⾃社ECサイト「&CROSS」で販売する商材を製造している

(※)ヘルシーマルシェ…店内入口に設置された販売所。クロスラボで製造されたこだわりの商材や旬な野菜が購入可能

――自宅でも食事が楽しめるんですね。では、橋本さんのオススメ料理を教えてください。

橋本さん: 一番人気は「漢方和牛100%粗挽きハンバーグ」。ジューシーな味わいですが、脂肪分の融点が低く、ヘルシーなお肉なんです。ぜひ、牛肉本来の美味しさが感じられるミディアムレアで食べてください。

漢方和牛100%粗挽きハンバーグ。デミグラスジンジャー、大根おろしポン酢、トマト、四万十産ワサビソースの4種のソースから堪能できる

橋本さん: また、個人的には野菜にも着目してほしいです。

――野菜ですか?

橋本さん: 弊社は千葉県に自家農園を持っており、レストランでも使用しています。そのため、入社当初から私も定期的に収穫作業を手伝ってきました。また定休日には会社を通して知り合った北海道、福井県、八丈島などの全国の生産者さんに会いに行っていますよ。

――生産者さんとのご縁を大切にされているんですね。

橋本さん: 最近では調布・三鷹の生産者さんとも仲良くなりました。時には芋掘りをさせてもらったり、柚子の剪定をさせてもらったり。これまで全国各地を飛び回ってきましたが、意外に東京でもバリエーション豊かな野菜や果物が育っているんです。

――例えば、どんな野菜や果物が採れるのでしょうか?

橋本さん: 一般的な野菜はもちろん、特産のキュウイやスーパーフードのビーツ、パッションフルーツなどなど。この地域の野菜は「GRILL POT HOUSE」でも人気ですよ。

――地産地消にも貢献しているわけですね。

橋本さん: このエリアってスポーツが盛んな地域なんですよ。だから、健康志向のお客様が多く、付け合わせの野菜ひとつに興味を持ってくださる方も少なくないんです。

――なるほど。健康意識が高い地域なんですね。

橋本さん: そう思います。いつかは「ブランチ調布」でこれまで知り合った生産者さんの野菜を集めて、マルシェを開催したいです。そして、よりお客様や生産者さんとのご縁を深めていきたいと思っています。

料理の感動を次世代にも

山口さん: 今でも子どもの頃に食べたポークチャップが忘れられないんです。

――どんな思い出があるのでしょうか?

山口さん: 私が子どもの頃は、喫茶店がファミレス代わりでした。ハンバーグ、グラタン、ミートボールパスタ…全てがご馳走でしたね。

「GRILL POT HOUSE」キッチン担当・山口さん

山口さん: 当時は武蔵小杉に住んでおり、親と自由が丘の喫茶店によく行っていました。なかでも、そこのポークチャップが衝撃的で。食べた瞬間「僕もこんな料理がつくれるようになりたい」と強く思ったんです。

――ポークチャップとの出会いが料理人になるきっかけだったと?

山口さん: そうですね。学生時代に漫画家やシンガーソングライターを目指していた時期もありましたが、最終的には食べることも調理することも大好きだったので料理人の道へ。そして、20歳のときに調理学校を経てホテルニューオータニに就職しました。

――一流ホテルですね。現在の会社にはいつジョインしたのでしょうか?

山口さん: ホテルでシェフを30年経験した後、弊社代表の井上から声がかかり、5年ほど前に入りました。入社当時から大阪、福岡などのレストランの立ち上げに関わっており、「GRILL POT HOUSE」もオープンからシェフとして働いています。余談ですが、この場所のオープン日と私の誕生日って一緒なんです。どこか縁を感じてしまいましてね(笑)。

――シェフ歴は40年以上…! ずっとフレンチでしょうか?

山口さん: はい。私も含めて弊社はフレンチが基本です。「GRILL POT HOUSE」では焼肉、薬膳鍋、鉄板洋食を提供していますが、やはり僕たちはフレンチにリスペクトした料理を出しています。一見、和食や中華料理のように見える料理にも実はフレンチのテクニックを使っています。

個人的には三ツ星シェフの高級料理も地方のB級グルメも大好きです。というのも料理で大切なことは、お客様に喜んでいただくこと。私はフレンチの可能性を信じています。だからこそ、これまでいろんな店舗でフレンチを表現・発信し、たくさんのお客様に喜んでいただけたと自負しています。

――なるほど。山口さんはソムリエや薬膳管理士の資格をお持ちとのことですが?

山口さん: ニューオータニで料理長になる夢はありましたが、10年ごとに目標を立ててきました。やはり時代に合わせてフレキシブルに動くことは重要です。だから、年代ごとに自分は何をやるべきことを考え、必要なスキルは習得してきました。

――自発的に考え、行動してきたと。ちなみに、これからの目標というのは?

山口さん: 私は料理人ですから一生、勉強だと思っています。現在の「GRILL POT HOUSE」には年齢の若いシェフが働いています。やはり世代が違うだけで、切り口も新しいので学びになるんですよね。

一方で、私もこれまでさまざまな一流シェフと仕事をしてきました。手前味噌ですが、料理人としての引き出しはたくさんあるため、私からも彼らに何かを与えられたらと。そして、チーム一丸となって、お客様に喜んでいただければと思います。

――仕事で意識していることはありますか?

山口さん: 今の時代「美味しい」というのは当たり前。だからこそ、料理だけでなく、調理風景、接客、内装…この場所に来て「楽しかった」と感じてもらえるようなお店づくりを心がけています。

ありがたいことに「GRILL POT HOUSE」には老若男女のお客様が訪れますが、特にお子様が多いんです。よく親御様からは「子どもが行きたいって言うから来たんだよ」って。お子様って一番正直じゃないですか? そんなお子様がリピーターになってくれるのは嬉しいです。自分は間違っていなかったんだなと自信につながっています。

――きっと山口さんがポークチャップに感動したように、訪れたお子さん達も感動しているんでしょうね。

山口さん: もしかしたら居るかもしれませんね(笑)。なおさら、ここにしかない味をこれからもみんなで提供していこうと思います。

この場所なら夢に近づける

原田さん: やっぱり飲食業は私にとっての天職だと思うんです。

「GRILL POT HOUSE」ラボ担当・原田さん

――原田さんは飲食業歴が長いのでしょうか?

原田さん: いえ「GRILL POT HOUSE」はまだ5ヶ月ほど。それまでは深大寺近くのカフェ&ダイニングで6年ほど料理長を勤めていました。

――すごいですね!

原田さん: 料理長と言いつつも、調理は私1人(笑)。人気店だったので火傷や傷が日常茶飯事でした。また、季節ごとに新潟からお米や旬の食材、調味料が届くお店だったので、毎日のようにメニューを創作し、お客様の反応をみることがやりがいにつながっていましたね。日々、勉強でしたが調理だけでなく、運営、在庫管理、受注発注、レジや接客、さらにはラテアート…大変だったけど良い経験をさせてもらったと思います。

――さまざまなスキルが磨かれたと。「GRILL POT HOUSE」でも料理を続けようとは思わなかったのでしょうか?

原田さん: 私は将来、自分のお店を出したいんです。くわえて、ECも展開していきたいので「GRILL POT HOUSE」なら、そのスキルを習得できると思ったんですよね。

――「GRILL POT HOUSE」でECを学ぼうと?

原田さん: はい。「GRILL POT HOUSE」では、ラボが併設されています。そこでは店内用だけでなく、EC用の商材も製造しています。さらに急冷装置が設置されていたり、専門職で募集していることも珍しかったのでチャンスだと思ったんです。

――製造が工場ではなく、お店というのは稀ですよね。原田さんはラボでどんなお仕事をされているのでしょうか?

原田さん: EC商品の製造をはじめ、お店の仕込みを担当しています。調味料、ドレッシング、ふりかけ、あとは数種類の漢方を使ったブイヨンもつくっていますよ。

店内のマルシェでは旬野菜のほか、ラボで製造されたドレッシングや調味料がならぶ。オンラインでも薬膳鍋のセット等も販売

――キッチンと打って変わって、地味な仕事のようにも思うのですが…。

原田さん: たしかに直接「美味しかった」と言っていただけるのはやりがいでした。しかし、裏方だからといって、やりがいがないわけではありません。今は目の前だけでなく、その先にいるお客様のために丁寧な仕事を心がけています。また、学びたいことを吸収できているのでモチベーションは高いですよ。

――素晴らしいと思います。ちなみに飲食業の前はなにを?

原田さん: デザイン学校を卒業し、グラフィックデザイナーになりましたが、離婚後は15年近く外資系の金融業をしていました。というのも、息子を1人で育てないといけなかったため、しっかりと収入が得られる仕事に就かなければならなかったんですよね。…肌に合わないと思っていましたが(笑)。

――でも、飲食業には興味があったと?

原田さん: そうですね。食べることや料理はずっと好きで、自分で料理を考案したり、写真を撮ったりしていました。そして、息子が大きくなったタイミングで前述のカフェ&ダイニングに転職することにしたんです。

――なるほど。息子さんの反応はいかがでしたか?

原田さん:息子から見ても、生活のために企業勤めしていた私は楽しそうではなかったそうで。だから「好きなことやりなよ」という息子の一言はとても嬉しかったですね。

――大きな後押しになったと。

原田さん: 転職後、息子に「イキイキしている」と言われ、本当に料理が好きなんだなと実感できました。

――まさに天職。どんなお店を構想されているのでしょうか?

原田さん: 現段階では鎌倉に移住してカフェをオープンしたいと思っています。予定では7〜8年後ですかね? なので、これからはケーキやジェラートなどのスイーツを独学で学ぼうと思っています。

――なぜ鎌倉を?

原田さん: 好きな場所なんです。お店に風情があり、街に品が感じられるじゃないですか? 人も穏やかで奥深大寺に近い雰囲気だなと。

――原田さんの夢が楽しみです。

原田さん: 飲食業って給料が少ないじゃないですか? だから、本当に好きじゃないと続けられないと思うんです。多分、安定した暮らしを望むなら金融業の方が良かったと思います。でも私には夢がある。今では息子も応援してくれています。今は、この夢に一歩でも近づけるように「GRILL POT HOUSE」でEC だけではく、いろんなアイディアを吸収したいと思います。

こだわりの食材、特別な調理法、気の利いたサービス…いずれも美味しい料理を提供する上では大切な要素です。しかし、今回それぞれのスタッフのストーリーに迫ることで「GRILL POT HOUSE」の持つ“美味しさのその先”が理解できたように思います。ぜひ笑顔が広がるレストラン「GRILL POT HOUSE」に足を運び、ご縁をつないでみてはいかがでしょうか。

Profile
「GRILL POT HOUSE」

ラボとマルシェを併設したカラダが喜ぶ美味しい鉄板洋食や焼肉、鍋などがなどが楽しめるレストラン。ご家族や⼤切な⽅々のカラダが喜ぶシーンに携わり、地元密着・地域貢献をテーマに、街のフードパートナーとして、皆様の細胞くんや細胞ちゃんがニコニコになる場所を提供します。

グリルポットハウス

東京都調布市深大寺東町7-47-1 BRANCH調布1F / 042-444-2258
【平日】11:00〜16:00 (L.O. 15:00), 17:00〜22:00 (L.O. 20:30)
【土日祝】11:00〜22:00 (L.O. 20:30)
定休日:不定休 ※貸切・店外研修などの都合によりお休みいたします
Point!

奥深大寺推しポイント

"すき"が広がり繋がるダイバーシティなところ!
私がこちらで生活するようになり早一年。農家さんや小さなカフェ、お菓子屋さん、雑貨屋さん、グルメ通なご近所さんなどなど、、、自分の好きなことやこだわりを持っていて、この人しか作り出せないモノが沢山あることに気付きました。さらに意外なところで接点も見つかったり。
その人の歴史って1日じゃわからないのでまたこの人に会いたい!って思わせてくれる人がたっくさんいて飽きないです^^
(by橋本さん)